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三部門を擁する「こうべ全国洋舞コンクール」で、クラシックバレエ部門から初めて最高位のグランプリに輝いた。あまりの見事な演技に、コンクールでは禁止されている拍手が、しばらく鳴りやまなかったほどだ。約千二百人の出場者の頂点に立つ快挙。「一位ということだけでも驚きなのに。グランプリと聞いても実感がわかない」と、はにかむ。姉が通っていたバレエ教室を見学したのがきっかけで、八歳からバレエを始めた。中学校からは、コンテンポラリーダンスも習った。高校卒業後は、プロを目指して大阪のスタジオに毎日通う。一昨年、同コンクールのクラシックバレエ部門・ジュニアの部で二位、昨年は、モダンダンス部門・ジュニア一部で一位を獲得。まったく趣の異なるクラシックとコンテンポラリーの両方で好成績を収め、その着実な成長ぶりを示してきた。「どっちも自分に必要なもの。古典と現代ものの二つを両立していくのが僕のやり方で、特別なこととは思っていない。踊るのが好きだし、ほかにやれることがないから」と気負いはない。今年八月から一年間、国の研修制度を利用し、スイスのチューリッヒジュニアバレエ団に留学する。「今までやってきた通りに、人のいいところをまねていきたい。その後のことは、今はまだ・・・。ただ、人間そのものが踊りに出るのがダンサーだと思う。立っているだけでオーラの出るような踊り手になりたい」 十九歳。大阪市在住。
2003.5.7 神戸新聞掲載記事 |
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| 第16回こうべ全国洋舞コンクール結果 【神戸】兵庫県洋舞家協会神戸新聞社ほかの主催による第十六回「こうべ全国洋舞コンクール」は四月二十六、二十七両日モダンダンス、創作部門が神戸新聞松方ホールで、五月三、四、五日の三日間クラシックバレエ部門が神戸文化ホールで、全国から千二百余名の参加を得て行われた。今回クラシックバレエ男性シニア部門一位の福岡雄大に、同部門初のグランプリが贈られたことが話題だ。 モダンダンス、クラシックバレエ各部門シニアは、一位に賞金五十万円、二位に同三十万円、三位に同二十万円が賞状、メダルと共に、創作部門には最優秀賞一作品に賞金五十万円、優秀賞二作品に同二十万円が賞状、盾と共に贈られる。グランプリ賞金は三十万円。ジュニアの部には三位までに賞状、メダルと副賞(チャコット賞、シルビア賞)が贈られた。 表彰式のステージでグランプリが発表された瞬間、会場にワッとかん声があがった。コンクールが始まって以来十五年。第一回、第二回はモダンダンス部門に連続グランプリが与えられたが三年目からは全く該当なし。今回の福岡雄大が十二年ぶり。クラシック部門では初の栄冠となった。大阪で生まれ、育ち、八才でケイバレエスタジオに入門。男性ジュニアで三年前三位、二年前二位、去年は恩師矢上恵子振付でモダンに挑戦し見事一位。海外でもヘルシンキ、ジャクソンと連続入賞している。今秋は文化庁派遣在外研修員に選ばれスイス・チューリッヒに一年間留学する。さらなる成長が期待される。 2003.5.23 オン・ステージ掲載記事 |
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舞台に現れた瞬間、一人だけ、光の粒子をまとっているようだった。軸のぶれない回転、ぴたりと決まる着地。そんなバレエの技術を超えて輝く何かを感じた。五月にドイツ・バイエルン州ミュンヘンの州立劇場で行われたバレエ学校の公演で、だれよりも多くの拍手を勝ち取ったのが、大阪市出身の十七歳、福田圭吾だった。昨年六月、世界三大バレエコンクールのひとつである、USA国際バレエ(ジャンクション)でスカラシップ賞を、今年二月には熊川哲也、吉田都ら世界のひのき舞台で活躍するダンサーを輩出しているスイスのローザンヌ国際バレエコンクールでも入賞を果たした。ローザンヌで得た奨学金でこの夏から、英・バーミンガムロイヤルバレエ団でプロとして研修を始める予定だ。さぞや自身に満ちあふれているのかと思いきや、「予選で落ちかけたらしいんです。振り付けを覚えるのが遅くて、レッスン審査では一人だけ反対の方を向いて踊ちゃって(笑い)、自分でも、もうだめだなあって・・・」。それでもぎりぎりで予選を通過、迎えた本選で、福田の自身に満ちあふれた踊りに審査員はわが目を疑った。「本当に同じダンサーなのか」と。結果は、プロを目指す参加者のうち、最優秀者に贈られるプロ研修賞に輝いた。母と二人のおばがバレリーナで教師、新国立劇場で主役ダンサーとして活躍する山本隆之はいとこというバレエ一家に生まれた。物心つく前から母に連れられ、レッスンを始めた。小学校のころはバレエを辞めたくて仕方なかったという。「サッカーや野球の方が面白かったし、『バレエなんか女がやるもんや』という同級生の言葉もその通りだと思ってた」十一歳ごろから国内のコンクールに出始めたが、同輩や弟が入賞する中、ひとり予選落ちに終わったこともあった。母の久留美は、「(帰りの電車の中で)どう声をかけていいかわからなかった」と振り返る。それでもレッスンを休まなかったのは、単純に三人の先生から「怒られるのがこわかったから」。身内ゆえの甘えは一切許されず、いや、身内だからこそ「より厳しかったところがあったのでは」と久留美。一昨年、国内のバレエコンクールでジュニアの部一位になったときのことだ。翌日のレッスンで「踊りにおごりがある。天狗になっている」と指摘された。「天狗になってるつもりはありません」と言い返すと、「つもりじゃ、だめ」と叱責された。コンクール入賞という栄誉もあくまでダンサーとしての通過点。そこで有頂天になっていたらそれまで。「『栄誉に酔うのは、せいぜいその日の十二時まで』と教えられました」練習時間は少なくとも一日五、六時間。少しでも疲れたそぶりを見せると「本番の舞台でもそうやって手を抜くのか。疲れているときこそ、自分に強くなれ」と声がとぶ。「ボロ泣きしながら」リハーサルを続けたこともあったという。泣くことの恥ずかしさやつらさも乗り越えたとき、踊る楽しさが徐々に分かるようになってきたという。かつて「バレエは女がやるもんや」と福田をからかった同級生は今、彼をうらやましがる立場に回った。「今はやりたいことや目標を見つけるのが難しい時代ですよね。そういうなかで好きなこと、やりたいことがはっきりしていることは本当に幸せだと思う」ジャクソン・コンクールでの入賞を機に昨年九月からミュンヘンで学び始めた。バレエの本場であるヨーロッパで自分を磨きたいと思ったからだが、まず実感したのは体形の違いだという。「彼らは立っているだけで絵になる。感情表現もてらいなく、自然にできる。やっぱりバレエは欧米人のものなのかなと思いました」そんなとき、ドイツの名門、シュツットガルト・バレエで主役ダンサーを務める韓国人、スー・ジンカンの舞台を見た。破天荒でおてんばなヒロインを生き生きと情感豊かに踊る姿を見て、アジア人だからできないことはないのだと思った。「不利なこともあるけれど、僕だけに表現できるものも絶対あると思う。それをこれから探していきたい」ふくだ・けいご 昭和60年、大阪市生まれ。ケイバレエスタジオ出身。身長170センチ、体重57キロ。3歳からバレエを始める。こうべ洋舞コンクールで1位、全国洋舞コンクールでジュニアの部で2位。ローザンヌでは、創作部門で、おばの矢上恵子振り付けによるWitz(ドイツ語で機知の意味)を踊って喝采を浴びた。尊敬するダンサーはミハイル・バリシニコフ。 2003.6.28 産経新聞掲載記事 |
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